組踊とは?世界が認めた沖縄の歌舞劇の魅力

Bunkakaikan, CC BY-SA 3.0, via Wikimedia Commons

沖縄には、能や歌舞伎と並ぶ日本を代表する古典芸能がユネスコの無形文化遺産にも登録されていることをご存知でしょうか。それが「組踊(くみおどり)」です。せりふ・音楽・舞踊が一体となった歌舞劇で、約300年の歴史を持つ琉球王国由来の芸能です。今回は組踊の歴史や見どころ、鑑賞できるスポットについてご紹介します。

組踊とは

組踊は、せりふと沖縄の伝統的な音楽、そして舞踊を基礎とした所作によって展開される歌舞劇です。台詞劇でありながら、場面ごとに歌三線(三線を弾きながら歌う琉球古典音楽)と舞踊が織り込まれ、登場人物の心情を切々と歌い上げます。演じ手の台詞は独特の抑揚をもって唱えられ、洗練された所作とあわせて、演劇としての物語の展開を音楽とともに楽しむ芸能として発展してきました。

組踊の歴史

組踊の起源は、琉球王国の第二尚氏王朝時代にさかのぼります。当時、国王の代替わりごとに、それを承認するための使者「冊封使(さっぽうし)」が中国皇帝から派遣されていました。この冊封使を歓待するため、踊奉行(おどりぶぎょう)に任じられた玉城朝薫(たまぐすく ちょうくん、1684〜1734)が創作したのが組踊のはじまりで、1719年、尚敬王の冊封儀礼の際に初演されました。

玉城朝薫は、江戸への使節団「江戸上り」の際に能楽や歌舞伎など本土の芸能に触れており、それらの要素を参考にしながら、琉球の歴史や故事、民話を題材とした独自の歌舞劇を創り出したといわれています。以後、組踊は士族の子弟によって演じられ、明治以降は市井の舞台へと受け継がれていきました。

なお、組踊の世界は長らく男性のみで演じられてきましたが、1919年には初めて女性の演者が登場しました。戦後の混乱期には、男性たちに代わって女性たちが伝統芸能の担い手となり、今日に伝わる組踊を支える大きな役割を果たしました。

組踊は1972年に国の重要無形文化財に指定され、2010年にはユネスコの「人類の無形文化遺産の代表的な一覧表」に登録されました。2019年には初演から300年という記念すべき節目を迎えています。

代表的な演目「朝薫の五番」

創始者・玉城朝薫が手がけた5つの代表作は「朝薫の五番」と呼ばれ、今なお組踊の中心的な演目として上演され続けています。中でも「執心鐘入(しゅうしんかねいり)」は組踊の代名詞ともいわれる傑作で、美少年に恋をした女性が、その執念から鬼女へと変じてしまい、最後は法力によって鎮められるまでを描いた物語です。初めて組踊に触れる方にもおすすめの演目です。

組踊を鑑賞できる場所

組踊を鑑賞するなら、沖縄県浦添市にある「国立劇場おきなわ」が最適です。組踊の伝承・公開の重要な拠点として位置づけられており、自主公演や、伝統組踊保存会による公演が定期的に行われています。

日本の伝統芸能としては比較的リーズナブルな2,000〜3,000円ほどで鑑賞できるのも嬉しいポイント。方言のせりふが分からなくても楽しめるよう、日本語字幕付きの公演もあり、初心者向けの解説付きプログラムも用意されているため、沖縄の伝統文化に初めて触れる方でも安心です。

アクセス

  • 車・タクシー:那覇空港から約20分(時間帯による)
  • 路線バス:那覇空港発の路線バス(23番・26番・120番など)で「勢理客(じっちゃく)」バス停下車、徒歩約10分
  • 駐車場:209台分(無料)を完備。ただし公演日は混雑することがあるため、公共交通機関の利用がすすめられています

休館日 年末年始(12月29日〜1月3日)などが休館日となっています。公演スケジュールやチケット料金は演目によって異なるため、訪問前に公式サイトでの確認がおすすめです。

まとめ

組踊は、中国からの使者をもてなすために生まれながらも、言葉・音楽・物語のすべてに琉球独自の文化が息づく、誇り高い歌舞劇です。300年の時を超えて受け継がれてきたその舞台は、沖縄の歴史と美意識を今に伝えています。エイサーや琉球舞踊とあわせて、沖縄旅行の際にはぜひ国立劇場おきなわで本場の組踊に触れてみてください。

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